院長コラム

2023.12.04

アメーバ性腸炎のお話

アメーバ性腸炎のお話

アメーバ性腸炎は、原虫(寄生虫)であるEntamoeba histolyticaによる感染症です。
以前は発展途上国への旅行により感染するケースが多かったのですが、最近では性行為により感染するケースがほとんどです。

多くの方は慢性的に経過し、下痢、粘血便、腹痛などが繰り返しあらわれますが、全く症状が出ないこともあります。
健診で便潜血陽性を指摘され、大腸内視鏡検査を行って初めて診断されるケースも多々あるため、知らないうちに他の人に感染を拡げてしまう恐れがあります。

アメーバ性腸炎は、盲腸と直腸に病変がみられることが多く、写真のように白苔を伴う汚いびらんや潰瘍が多発することが比較的よく見られる内視鏡所見です。
アメーバ虫体は白苔部分に存在するため、潰瘍底などから白苔を含むように生検を行います。

治療は抗菌薬であるメトロニダゾールの内服治療が基本です。メトロニダゾールの内服でも臨床症状や内視鏡所見の改善がみられない場合は、パロモマイシンの内服治療が必要です。

盲腸に白苔を伴う多発性のびらんや潰瘍を
認めます。
アメーバ虫体は白苔の中に存在するため、
白苔を含むように潰瘍底から生検を行います。

江戸川区・葛西エリアで苦痛のない正確な内視鏡検査は、『西葛西消化器内科クリニック』にご相談下さい。