胃がんについて
胃がんは、胃壁の内側の粘膜層から発生する悪性腫瘍です。
胃がんは大きくなるにつれて、徐々に胃壁の内側から外側に向かって浸潤していきます。
がんが深くまで浸潤すると、周囲のリンパ節や他の臓器に転移・播種してしまうことがあります。
胃がんは早期で発見できれば、体に負担の少ない内視鏡治療で完治を目指すことが可能です。早期の胃がんは、ほぼ自覚症状はなく、かなり進行した状態でも症状がでないことがあります。
胃がんの早期発見のためには、みぞおちの痛みや不快感、吐き気や食欲不振などの自覚症状がある場合はもちろんですが、自覚症状がない場合も、定期的に内視鏡検査などで胃の状態をチェックする必要があります。
胃がんの原因
胃がんの主な発生原因は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染です。ピロリ菌は除菌治療を行わなければ、自然に除菌されることはまれであり、感染が持続します。
ピロリ菌に持続感染すると、胃粘膜に慢性的な炎症が引き起こされ、胃粘膜の破壊と修復が繰り返されます。その結果、胃粘膜は徐々に薄くなり、『萎縮』した状態となります。
この状態を『萎縮性胃炎』と呼び、萎縮性胃炎が広範囲になればなるほど、胃がんが発生するリスクが高まります。
ほかにも喫煙、高塩分食品の摂取、男性(性別)やストレスなどが、胃がんの発生リスクを高めると報告されています。
胃がんの予防
ピロリ菌に感染していない胃がん(ピロリ陰性胃癌)は、胃がん全体の1%以下と報告されており、ほとんどの胃がんは、ピロリ菌感染が主な原因と考えられています。したがってピロリ菌を除菌することが、胃がんの予防として最も有効です。
ほかには、禁煙や節度のある飲酒、減塩や適度な運動なども効果的とされています。除菌治療により胃がんが発生するリスクは低下しますが、リスクをゼロにすることはできないため、除菌後も定期的な内視鏡検査が重要です。胃がんが存在する背景粘膜は、ほとんどが前述した萎縮性胃炎であり、早期発見を困難にしています。
そのため胃がんを早期発見する『目』を養うためには、がん専門病院などで特殊な修練を積む必要があります。
当院では、最新の内視鏡システムを完備し、胃がんの内視鏡診断学に精通した医師による内視鏡検査を受けることができます。