大腸カメラ
大腸カメラで何がわかる?発見できる病気・症状と受診の目安
「大腸カメラって何のための検査?」「どんな病気がわかるの?」——大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)は、大腸全体の粘膜を直接観察することで、さまざまな疾患の発見・診断ができる検査です。
この記事では、大腸カメラで見つかる代表的な病気と、どんな症状があれば検査を受けるべきかの目安をお伝えします。
大腸ポリープ
大腸の粘膜にできるイボのような隆起です。大きく分けて「腫瘍性ポリープ(腺腫、鋸歯状病変)」と「非腫瘍性ポリープ」があります。
腫瘍性ポリープは放置すると大腸がんに進展するリスクがあるため、見つかった段階で切除するのが原則です。National Polyp Study では、ポリープの切除により大腸がんの発症が76〜90%減少し、死亡が53%減少しました。
参考:Winawer SJ, et al. N Engl J Med. 1993; 329:1977-1981. / Zauber AG, et al. N Engl J Med. 2012; 366:687-696.
大腸がん
初期にはほとんど症状がなく、進行すると血便、便通異常(便秘と下痢の繰り返し)、便が細くなる、腹痛、体重減少などが現れます。
大腸がんは早期発見であれば内視鏡治療で完治が期待でき、5年生存率は90%以上です。しかし、進行してステージIVで見つかった場合の5年生存率は約20%に低下します。「症状がないうちに見つける」ことの重要性がわかります。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に原因不明の慢性的な炎症が起きる病気で、血便、下痢、腹痛が主な症状です。クローン病は消化管のどの部分にも炎症が起きうる病気です。いずれも大腸カメラで粘膜の状態を直接観察し、組織検査を行うことで診断します。
潰瘍性大腸炎は罹患期間が長期化すると大腸がんのリスクが高まるため、定期的に大腸カメラによる経過観察が必要です。
大腸憩室(けいしつ)
大腸の壁が外側に袋状に飛び出したものです。多くは無症状ですが、炎症を起こす「憩室炎」や出血する「憩室出血」の原因になることがあります。大腸カメラで偶然見つかることが多く、その存在を知っておくことで将来の対応がスムーズになります。
痔との鑑別
「血便が出たけど、たぶん痔だろう」と自己判断して大腸カメラを受けない方がいますが、これは危険です。痔による出血と大腸がんやポリープからの出血は、見た目だけでは区別がつきません。下血や血便がみられる場合は、必ず大腸カメラで確認する必要があります。
こんな症状があったら大腸カメラを
- ・便に血が混じる(鮮血でも暗赤色でも)
- ・便秘と下痢を繰り返す
- ・便が以前より細くなった
- ・残便感がある
- ・お腹の張り・腹痛が続く
- ・原因不明の体重減少
- ・健康診断の便潜血検査で陽性が出た
- ・家族に大腸がん経験者がいる
- ・40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない
よくある質問
Q. 大腸カメラで胃の病気も調べられますか?
A. いいえ、大腸カメラは大腸のみを観察する検査です。食道・胃・十二指腸を調べるには胃カメラ(上部消化管内視鏡)が必要です。同日に両方を受けられる医療機関もあります。
Q. 異常がなかった場合、次はいつ受ければいいですか?
A. ポリープがなく異常なしの場合は、5年後の再検査が一般的な目安です。ただし、便潜血検査は引き続き受けることをおすすめします。
Q. 便潜血が陽性でも大腸カメラで何も見つからないことはありますか?
A. あります。便潜血陽性の方の半数以上で大腸カメラは「異常なし」です。しかし、便潜血陽性が出た以上、がんやポリープがないことを確認するためには大腸カメラが必要です。「異常なし」も大切な結果です。
まとめ
大腸カメラは、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患、憩室など、大腸のあらゆる疾患を発見・診断できる「ゴールドスタンダード」の検査です。特にポリープをがん化する前に切除できることは、他の検査にはない大きなメリットです。
気になる症状がある方はもちろん、40歳以上で一度も検査を受けたことがない方は、ぜひ一度大腸カメラを受けてみてください。
