西葛西消化器内科クリニック|内科・内視鏡検査・消化器内科

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胃カメラ

胃カメラで何がわかる?発見できる病気と受診すべき症状の目安

「胃カメラって何のために受けるの?」「どんな病気が見つかるの?」——胃カメラ検査は、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接見ることで、多くの消化器疾患を発見・診断できる検査です。

この記事では、胃カメラで見つかる代表的な病気を「食道」「胃」「十二指腸」に分けてわかりやすく紹介し、どんな症状があれば検査を受けるべきかの目安もお伝えします。

食道の病気

逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流して、食道の粘膜に炎症を起こす病気です。胸やけ、酸っぱいものがこみ上げる、喉の違和感、慢性的な咳といった症状が特徴的です。胃カメラでは食道の粘膜のただれ(びらん)や赤みを直接確認し、程度を評価できます。

食道がん

食道がんは初期にはほとんど症状がなく、進行すると食べ物のつかえ、胸の痛み、声のかすれなどが出ます。飲酒・喫煙がリスク因子で、特にお酒を飲むと顔が赤くなるタイプの方はリスクが高いとされています。

食道がんの早期発見には、NBI(特殊な光で粘膜の血管パターンを強調する技術)が非常に有効です。通常の白い光では見えにくい平坦な早期がんも、NBIを使うと異常な部分が茶色く浮かび上がり、発見しやすくなります。

バレット食道

長年の胃酸逆流により、食道の下端の粘膜が胃の粘膜に置き換わった状態です。バレット食道からはバレット食道腺癌という食道がんが発生するリスクがあり、定期的なフォローが重要です。

胃の病気

胃炎(急性・慢性・萎縮性)

急性胃炎はストレスや鎮痛薬(NSAIDs)、アルコールなどが原因で突然起こる胃の炎症です。慢性胃炎はピロリ菌感染が主な原因で、長期間放置すると胃の粘膜が薄くなる「萎縮性胃炎」に進行します。

萎縮性胃炎は胃がんの前段階とされており、萎縮の程度は胃がんリスクの判定に直結します。胃カメラでは萎縮の範囲と進み具合を詳しく観察でき、今後の検査間隔を決める重要な判断材料になります。

胃潰瘍

胃酸やピロリ菌、鎮痛薬の影響で粘膜が深く傷ついた状態です。みぞおちの痛み、胃もたれ、吐き気、出血(黒い便)などが症状です。胃カメラでは潰瘍の大きさや深さ、出血しているかどうかを直接確認でき、がんが原因の潰瘍との区別のために組織検査を行うこともあります。

胃がん

日本人に多いがんのひとつで、ピロリ菌感染が最大の原因です。早期胃がんはほとんど自覚症状がないため、定期的な胃カメラでしか見つけられません。

早期に見つかれば、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という内視鏡治療でお腹を切らずに完治できるケースが多くあります。5年生存率は早期であれば95〜99%と非常に高い一方、進行してから見つかった場合は30%以下に下がります。「いかに早く見つけるか」がすべてを左右する病気です。

参考:Xia JY, et al. J Surg Oncol. 2022; 126(2):325-337.

胃ポリープ

胃の粘膜にできるイボのような隆起です。多くは良性ですが、種類によってはフォローや切除が必要になることもあります。胃カメラで形や表面の模様を観察することで、多くの場合は組織を採らなくてもポリープの種類を推測できます。

十二指腸の病気

十二指腸炎・十二指腸潰瘍

胃酸やピロリ菌の影響で粘膜に炎症がおき、深く傷つけば「潰瘍」ができます。十二指腸炎では慢性的な胃の不快感、食後のおなかの張り、軽い痛みがみられることもありますが、症状がないことも多いです。十二指腸潰瘍になると空腹時や夜間のみぞおちの痛み、吐き気や胃もたれなどの症状がでます。出血により黒色便がみられたり、穿孔(穴があく)した場合は激しい腹痛になります。

十二指腸腺腫

十二指腸の粘膜に発生する腫瘍です。将来的にがん化する可能性がある「前がん病変」として扱われます。サイズが小さいものは定期的な経過観察が行われますが、サイズが大きいものや内視鏡所見からがんが否定できないものは内視鏡治療や外科手術が行われます。

十二指腸がん

十二指腸の粘膜に発生するがんです。消化管に発生するがんの中では比較的稀ですが、進行するまで症状が出にくいため発見が遅れるケースがあります。早期であれば、内視鏡治療により治癒が期待できますが、進行した場合は外科手術や抗がん剤治療が行われます。

ピロリ菌感染の確認

胃カメラでは、胃粘膜の見た目からピロリ菌感染の有無をかなりの精度で推測できます。さらに、検査中に胃粘膜を少し採取して迅速ウレアーゼ試験を行えば、その日のうちに感染の有無がわかります。

ピロリ菌の除菌治療に保険を適用するためには胃カメラでの慢性胃炎の確認が必要なので、ピロリ菌が気になる方は最初から胃カメラで検査するのがいちばん効率的です。

こんな症状があったら胃カメラを

以下のような症状がある方は、胃カメラ検査の受診を検討してください。

  • ・胃痛、みぞおちの痛みが繰り返す
  • ・胸やけ、酸っぱいものがこみ上げる
  • ・食後の胃もたれ、膨満感が続く
  • ・食欲不振が2週間以上続く
  • ・原因不明の体重減少
  • ・吐き気・嘔吐を繰り返す
  • ・黒い便(タール便)が出た
  • ・食べ物が喉につかえる感じ
  • ・飲酒・喫煙の習慣があり食道がんが気になる
  • ・健診でピロリ菌陽性・胃の異常・貧血を指摘された

症状がなくても、40歳以上の方やピロリ菌感染リスクのある方には定期検査をおすすめします。胃がんは早期にはほぼ無症状であり、「何もないから大丈夫」とは言い切れません。

健診のバリウムと何が違うの?

健康診断のバリウム検査は「スクリーニング(ふるい分け)」が目的です。異常が指摘された場合、あらためて胃カメラで精密検査を受けることになります。

胃カメラはスクリーニングと精密検査を一度に兼ねることができます。異常があればその場で組織を採取し確定診断まで完結するので、バリウム→胃カメラという二段階の手間が省けます。

よくある質問

Q. 胃カメラで大腸の病気も調べられますか?

A. いいえ、胃カメラで観察できるのは食道・胃・十二指腸までです。大腸を調べるには別途大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)が必要です。

Q. 何も見つからなかった場合、次はいつ受ければいいですか?

A. ピロリ菌の有無と胃粘膜の状態によって変わります。ピロリ菌陰性で異常なしなら2〜3年に1回、ピロリ菌陽性または除菌後なら年1回が目安です。検査結果をもとに、医師と相談して次回の時期を決めましょう。

Q. 胃カメラでがんが見つかったらどうなりますか?

A. 早期発見であれば、ESD(内視鏡治療)でお腹を切らずに完治できるケースが多くあります。進行がんの場合でも、適切な専門医療機関に速やかに紹介します。だからこそ「見つかるのが怖い」ではなく「早く見つけるために受ける」という考え方が大切です。

まとめ

胃カメラ検査は、食道がん・胃がんなどの悪性腫瘍から、逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、ピロリ菌感染まで、幅広い疾患を一度の検査で発見・診断できます。生検やピロリ菌検査も同時に行えるため、消化器の健康チェックとしてもっとも情報量が多い検査です。

気になる症状がある方も、定期検査を始めようと考えている方も、まずは一度胃カメラを受けてみてください。自分の胃の状態を「知っている」ことが、いちばんの安心材料になります。

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